関門海峡コンテンツ造成

源平合戦、巌流島の決闘、幕末の攘夷戦争——関門海峡は、日本の歴史の転換点でたびたびその舞台となってきました。明治以降は国際貿易港として栄え、近代の建築や文化が今も色濃く残っています。
しかし、これだけの資源がありながら、観光客の多くは主要スポットを短時間で巡って帰ってしまう状況が続いてきました。滞在時間は短く、訪問先は一部のエリアに集中し、地域の歴史や文化の奥行きは十分に活かされていません。
関門DMOでは、こうした課題に向き合い、ここでしか体験できないプログラムの企画・造成に取り組んでいます。

Our Approach

「その場所でしかできない体験」をつくる

私たちが目指しているのは、その場所の持つ意味を身体で感じられるプログラムづくりです。決闘の地で剣を振るう。港町の風景を画家と一緒に描く。非公開の拝殿で海峡の歴史に触れる。こうした体験は、半日から一日をかけてひとつの場所に深く向き合うプログラムだからこそ成立します。その結果、滞在時間が延び、これまで観光客が足を運ばなかったエリアにも自然と目が向くようになります。

巌流島、門司港の路地裏、和布刈神社の拝殿——いずれも、従来の観光では素通りされがちだった場所です。剣術家、画家、神職といった地域の専門家と連携し、こうした場所に新たな意味を与えるコンテンツを一つひとつ造成しています。

巌流島サムライ体験

宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で知られる巌流島。日本人なら誰もが知る歴史の舞台でありながら、これまでは「渡って、碑を見て、帰る」——それ以上の体験は存在しませんでした。
このプログラムでは、世界的に活動する剣術家・金山孝之氏の指導のもと、実際の決闘の地で抜刀術・剣術・杖術を体験できる内容を造成しました。歴史を「知る」だけでなく、身体を通じて「感じる」ことで、巌流島という場所の捉え方そのものが変わる体験を目指しています。

金山氏とともに制作したプロモーション映像は海外で反響を呼び、日本政府観光局(JNTO)のLocal Experience Programとしても紹介されています。現在、海外からの問い合わせも寄せられており、インバウンド向けコンテンツとしての展開が広がっています。

海峡の歴史と文化を学ぶ 特別拝観ツアー

九州最北端に位置する和布刈神社。関門海峡を眼前に望むこの社は、海峡の悠久の歴史を今に伝える場所です。本ツアーでは、通常非公開の拝殿での神職による特別案内から始まり、江戸、明治、大正、昭和と時代をたどるように関門海峡の歴史と文化を巡ります。

「関門海峡で獲れる「献上わかめ」の拝受や、九州最大級の料亭での特別メニューなど、この土地ならではの恵みを五感で味わえるのも魅力です。「非公開の場所に入れる」という特別感にとどまらず、江戸から昭和まで関門海峡の歴史を一日で体感できるプログラムです。
※本ツアーはJTBとの連携により実施しています。

画家・牧野伊三夫と描く、門司港スケッチツアー

明治から昭和初期にかけ、横浜や神戸と並ぶ日本三大港のひとつとして栄えた門司港。門司港駅や旧門司三井倶楽部をはじめ、当時の面影を残す建物が今も美しい街並みを形づくっています。このツアーでは、北九州市出身の画家・牧野伊三夫氏とともに、門司港の風景をスケッチしながら町を歩きます。牧野氏は画家としての活動に加え、北九州市の情報誌『雲のうえ』の編集委員を務めるなど、この地域の魅力を知り尽くした方です。

スケッチレクチャーに始まり、約5時間の自由なスケッチタイム、そして作品を持ち寄っての講評会と交流会へ。上手さを競うのではなく、画具を手に海峡の町をじっくりと見つめ直す、そんな一日を過ごすプログラムです。
※本ツアーは阪急交通社「ニッチャートラベル」との連携により実施しています。